サッカーはなるほど面白い!空いた時間にスマホで理解を深められる
ワールドカップイヤーの2018年。これまで自分はサッカーにそれほど興味がなく、W杯のときにだけ日本代表チームを応援するようなにわかファンだった。試合中継で解説者がフォーメーションや選手のポジション・役割のカタカナを口にしていても「なんのことやら」と聞き流していたけれど、今では海外サッカーのニュースを読んだりしている。
以前よりサッカーに関心を持つようになったきっかけは2つあって、一つはACミランに在籍していた頃の本田圭佑選手のクラブ批判発言のニュースを読んだこと(シニシャ・ミハイロヴィッチ監督時代から見るようになったのでオランダ・VVVフェンロー、ロシア・CSKAモスクワ時代の本田選手をほとんど知らない)。
Number Web:本田圭佑の経営批判はなぜ問題か。契約社会における“絶対的タブー”。
「干されることを覚悟で凄いなぁ」と思っていたが、それからミランがかつての強豪でその時期低迷していたこと、監督が毎年解任されていたこと、オーナーのベルルスコーニが自分の好きなフォーメーションを採用させようと度々監督たちと衝突していることを知り、試合内容と同じくらいに裏側の政治に興味が湧いた。
もう一つのきっかけはスマホアプリ(iPhone / Android)の「カルチョビットA(アー)」を見つけたこと。ゲームを通してサッカーの用語や、チーム運営などのビジネス面についてわかりやすく知ることができた。カルチョビットAで遊ぶようになってからはサッカーのニュースに興味をもつようになった。
プレーヤーはプロサッカークラブの監督。難しい操作は無し!
カルチョビットAは”サッカークラブ育成シミュレーション”ゲーム。過去に任天堂のゲームボーイアドバンス、ニンテンドー3DS向けにリリースされていたタイトルで、iPhone、Android向けに新作がリリースされた。
ゲームは基本無料で、上位リーグへ進みたいときに1,200円の課金があるシステム。買い切りなのでアイテム課金などは無い。対戦機能は無く、全試合CPUとの戦いとなる。一人でもくもくとプレーするタイプのアプリだ。
プレーヤーはサッカーチームの監督となり、試合に出場する選手、フォーメーションを選択するのが主な操作となり、試合中は選手たちが自動で動くので難しい操作を必要としない。スマホの小さな画面にピッタリのシステムだ。ドット絵でも思いのほか見入ってしまう。強豪チームに勝ったりするとガッツポーズしたくなる。大事な試合の前にエースが負傷したり、序盤からレッドカードで数的不利になってしまうと思わず声が出そうになる。
ゲームの序盤はゲーム内にある4つのリーグの内、一番下の「フレッシュリーグ」の監督になるところからスタートする。選手たちを特訓>試合(公式戦の合間に練習試合もある)>試合で見つかった課題を元にさらに特訓…を繰り返し、フレッシュリーグで優勝すると「ステップリーグ」へ昇格、さらに勝ち進んでいくことで上位の「N2リーグ」「N1リーグ」へ参戦することができるようになる。
リーグ戦と並行して「ジャパンカップ」があり、N1リーグへ昇格すると、「ワールドカルチョクラシック」「アジアチャレンジトロフィ」にも参戦することができるようになる。現実世界の「J1/J2/J3」のような1部リーグ、下部リーグの存在、「ヨーロッパリーグ(EL)」「チャンピオンズリーグ(CL)」「クラブワールドカップ(CWC)」といったものに相当する大会があるので、ゲームをしながらサッカーのニュースを追っていると、プロサッカーの世界のイメージが掴める。
”クラブ育成シミュレーション”の面白いところは、クラブ運営のビジネス面について知ることができること。
チームが上位リーグに昇格したり、カップ戦で上位に進むとクラブの運営予算がアップし、移籍市場にいる高額のスター選手にオファーを出せるようになってくる。
そしてクラブの成績が低迷したり、カップ戦の序盤で敗退したりすると翌年の予算は減り、赤字になれば選手の放出(解雇)を余儀なくされる。フレッシュリーグから同じメンバーで成長を続けて愛着を持っていても、クラブの成長に合わせ彼らの年俸も上がるので、いつかは予算の都合でなくなく放出せねばならない。「高額の選手を獲得するために複数の選手が放出」、「出番の減ったベテラン選手が年俸が高いがために放出」といったニュースも「そういうことか」とわかるようになる。
試合に望むときは「4-4-2」とか「3-5-2」といったフォーメーションを選ぶことができる。それぞれわかりやすい解説が表示されるので、テレビで試合開始前に言われるフォーメーションがどういった性格の戦術なのかを理解できるようになる。好きなチームのフォーメーションにして楽しむもよし、選手の名前と背番号を変更してドリームチームを作ることもできる。
フォーメーションを変えると、それまで活躍していた選手がポジションによって得点できなくなったり、そのポジションにしばらく控えに回っていた選手を起用すると活躍しだすようになったりする。「去年はスタメンだった選手が翌年監督(戦術)が変わると出場機会が激減した」といったニュースは毎年あるけれど、ゲーム内で監督をやり何シーズンも過ぎると「わかるわー」といった気分になっている。
貢献度が高く、お気に入りの選手がいても、フォーメーションを変えたことで使い所が無くなってしまうことがある。そうなると「彼に出場機会を与えねば」と親心で放出するのだ。
ゲームであれ、自分が監督になり、ときには非情な決断をし、控えに甘んじていた選手がスタメンになったり、「よし、数シーズンかけて育成するぞ」と安い移籍金で獲得した選手の年俸が高額になるのを見ると、どんなチームのニュースであれドラマであれ、以前より興味が湧くし、読むのが面白く感じられる。4年おきに興味を持つのもいいけれど、ちょっと知る気になることでグッと身近になる。「カルチョビットA」は奥深いサッカーの世界の入り口にぴったりのゲームだ。